今年度の目標も含めた内容です。ご一読をお願いします。

十和田市立中央病院 院長 丹野弘晃先日、「臨床栄養におけるリスクマネジメント」をメインテーマにした栄養関連の学会に参加した際、医療安全に関する特別講演を聴講する機会に恵まれました。「ノンテクニカルスキル」、皆さんもお聞きになったことがあるかと思いますが、主に医療安全関連で良くお目にかかる言葉ではないでしょうか。私自身、テクニカルスキルは専門的な技術のことであり、ノンテクニカルスキルはほぼコミュニケーション能力と同じこと位にしか理解しておりませんでした。

成書によれば、ノンテクニカルスキルとは「テクニカルスキルを補って完全なものとする認知的、社会的、そして個人的なスキルであり、安全かつ効率的な業務遂行に寄与するもの」とされています。文章化すると分かりにくいように感じますが、我々専門職のいわゆるプロのスキル以外の、現場で感じた必要なもの・大切なものすべての総称ということになると思います。具体的には、コミュニケーション能力・状況認識能力・意思決定能力・リーダーシップ能力・個人的要因等と、大変幅広い概念になっています。これは普遍的な面もあり、業務を遂行するためだけではなく、日常生活や家庭生活への応用も可能な能力と理解することもできます。そして最も重要と思われる点は、ノンテクニカルスキルは学ぶことが可能で向上させることができるということですので、まだまだ伸びしろのあるスキルではないかと思い当たりました。

さて、当院の今年度の具体的な目標は、地域医療構想や診療報酬改定そして病院機能評価更新等を踏まえて「見直し・再評価」としております。諸々の外圧をうまく利用して、あらゆる面から当院の有り様を見直し、再評価し、カイゼンに繋げる年、まさに「内なる新病院建設」の年と位置付けております。

この実現のためにも組織としてノンテクニカルスキルを意識すること、そして繰り返しになりますが学べるもので向上させることができるものであると認識することは、極めて有用であると思います。これは「見直し・再評価」の流れの中で必ず必要になってくるスキルでもあります。ノンテクニカルスキルを現場で意識し、それを評価し合える組織文化を院内連携・院外連携の現場で醸成し、さらに磨き上げて行きましょう。当院の一体感のある取り組みが連携施設の皆様にも理解していただけるように、一層の情報発信に努めますので、本年度もどうぞよろしくお願い致します。