この度、当院の活動状況をまとめた「十和田市立中央病院医報」の第 4 巻(平成 29 年度版)を発刊致しましたので、お送りさせて頂きます。「医療の質と経営の質を数値化して読み取れるように」という考えで学術活動と年報を合体させた本誌ですが、ご一読いただければ幸甚に存じます。

さて、平成 28 年 3 月に公表された青森県の地域医療構想と、すでに国から示されていた新公立病院改革ガイドライン、そして当院の理念と基本方針等を勘案して、平成 29 年 3 月に新たな中長期ビジョンとなる十和田市立中央病院新改革プランを策定致しました。その内容は、①急性期医療・救急体制の充実、②周産期医療の早期再開、③地域介護施設との連携・在宅医療の展開、④経営の安定化の 4 点となっております。平成 29 年度はこのビジョンの実現に取り組む初年度に当ることもあり、全職員で年度目標を意識して走り出した 1 年となりました。

平成 29 年度の病院目標としては、1)急性期医療の充実(特に救急診療の深化と在院日数の短縮)、2)病院目標に連動した部署目標の設定とそれに基づいた人事評価制度の構築、3)病院経営の安定化の 3 点を掲げました。加えて全体をまとめるような気持ちを込めて、「内固外進そして余韻繞梁」というサブタイトルを付けました。

内固外進とは、読んで字の如しで、「内を固めて外に進む」ことであり、ある学会の方針をそのまま引用させていただきました。

余韻繞梁は故事成語からの引用ですが、余韻が家の梁にまとわりつくことから、絶妙な歌声で人々に深い印象を残すという意味があります。院内を充実させて、院外に発信し、それが地域の医療人や住民の皆さんに深い印象を残せるように頑張ろうという意味を込めました。

結果として、全職員で最も意識して取り組んだ救急診療において、素晴らしい成果がデータから読み取れます。まず、救急車の年間受入数が前年より 300台以上増え計 2140 台となり、その応需率も前年度の 93.8%から 97.9%へとアップし、ほとんど断っていない結果となりました。この救急診療の深化が病院全体に好循環を生んでくれたと思っています。一般病床利用率が前年度の72.5%から 81.7%へとジャンプアップし、経営的にも当面の目標であるいわゆる現金ベースの黒字化に繋がりました。今年度の経験を当院の日常としてシステム化し、現場でのこの肌感覚を全職員で共有して行きたいと思います。

結びに、手前味噌で大変恐縮ではありますが、年を追うごとに本誌の内容が充実してきていると感じております。編集委員の皆さんの努力に敬意を表しつつ、今後とも更なるご指導をよろしくお願い致します。

平成 30 年 8 月 1 日