先日開催された「さわらびパーティー」での挨拶要旨をアップします。
皆さんおばんでございます。管理者の丹野です。本当にお久しぶりでございます。コロナ禍で、実に 4 年ぶりとなるさわらびパーティーにご参集いただき誠にありがとうございます。本日は大変お忙しい中、日頃お世話になっている皆さんにもお集まりいただき、盛大に開催できることを大変うれしく思います。前回 2019 年の開催が第 39 回でしたので、今回は第 40 回のさわらびパーティーになるのでしょうか。
まずは、このコロナ禍を何とか乗り越えつつありますが、これはここにお集まりの皆さんを含めた院内院外すべての皆さんの頑張りがあったからだと思います。心より感謝申し上げます。医療に関わりのある皆さんの集まりですので、ここからのクラスター発生はないと信じております。楽しんでください。
この会は当院に新しく加わってくれた職員の皆さんの歓迎とそのお披露目の会になっています。新人・新任の皆さん!ようこそ十和田市立中央病院へお出でくださいました。大歓迎致します。私の挨拶の定番となっている内容ですが、このパーティーの「さわらび」という言の葉の由来について、さっそくお話しさせていただきます。4 年ぶりなので、復習しましたよ。さわらびという名称は、もちろん当院のシンボルである佐藤忠良さん作(彫刻家)の「さわらびの像」から取ったものですが、この言の葉は万葉集の歌に由来しているということなんです。皆さんご存知でしたでしょうか。
万葉集の歌の中に志貴皇子(しきのみこ)が詠んだ次のような歌があります。「石(いわ)ばしる 垂水(たるみ)のうえの さわらび(早蕨)の 萌え出づる春に なりにけるかも」
その意味は、「岩をほとばしりながら、流れ落ちる滝のほとりに、若い蕨(新芽)が萌え出る春になったのだな~。」と早春の情景を素直に詠んだ歌とされています。寒く厳しい冬を越え、待ちに待った春到来を喜ぶ歌で名歌とされています。これまではここで終わりでしたが、一つ蘊蓄を加えさせていただきます。
司馬遼太郎さんという作家がおりますが、1923 年・大正 12 年生まれで、今年が生誕 100 年になっております。「司馬遼太郎が考えたこと」というエッセイ集に、彼は戦争経験者ですので、戦地に岩波文庫の万葉集を持参して、繰り返し読んだことが書かれてあります。その中でこの早蕨の歌を唯一取り上げていて、「この原初の明るさをうたいあげたみごとなリズムは、死に直面したその時期に、心を常に拭き取る役目をしてくれた。」と表現しています。戦争中のすさんだ心を、常にリフレッシュしてくれていたということなのでしょう。このように、彼の大作家も取り上げている歌であるということです。これは、覚えておいて損はないと思います。
ですから、新しく加わってくれた皆さんは年齢に関係なく「さわらび」であり、当院にとっての春そのものであり、春を運んできてくれた、明るさを運んできてくれた貴重な人財というわけです。末永くよろしくお願いいたします。
幹事の皆さんご苦労様です。それでは皆さん。さわらびパーティーを楽しんでください。本日はご出席いただき、ありがとうございます。
2023 年 5 月 19 日