日本病院会雑誌の「銷夏随筆」に投稿した内容です。ご一読ください。

私事で恐縮だが、今年度このまま生存を続ければ、満 70 歳を迎えることになる。「古稀」と表現されることもあるが、杜甫の有名な七言律詩「曲江」の中の「人生七十古来稀なり」の一節からきていることは、周知のことであろう。この詩の内容だが、杜甫が借金を重ねながらも酒に酔いしれる自身の生活ぶりを詠っており、そして 70 歳まで生きることがまれであることを述べ、花に舞う蝶やせせらぎに遊ぶトンボなどの自然の移ろいを詠いながら、この一瞬の美を共に賞賛し合おうと結んでいる。

杜甫はこの詩を 40 代後半に詠んでおり、実際には 70 歳まで生きることはできなかったようだ。「人生は儚いものだから、自分の感じるままに、好きなように生きるべし!」という過去から現在へと受け継がれる普遍的なメッセージとして、受け取ることができると思う。なかなか深い意味があるなと、目から鱗である。

確かに、古稀は一つの区切りとして捉えることができ、人生における長い旅の一つのマイルストーンと見なすことができる。これは、自分がどのように生きてきたのか、これからの残り少ない(?)人生を前向きに展望すべき貴重な機会とも言えそうだ。幸せな節目である。

実は 30 年ほど前から高校時代のクラブ仲間が毎年夏に集まり、1 泊 2 日ではあるものの「夏合宿」と称してゴルフとテニスをやっている。高校時代は、軟式庭球に没頭していた。当時軟庭部は人気があってわが年代も 30 人以上の入部者がいたものの、それなりに練習も厳しく休みもないためか、3 年間続けた同期は8 人だけだった。一つ上の学年はさらに深刻で、最終学年まで頑張った先輩がたったの 1 人だけであった。その先輩の苦労を身近で感じ十分理解していたこともあり、併せた 9 人がまとまりも強く大切な仲間になった。10 年前全員が元気に還暦を迎えたこともあり、夏合宿とは別に私が幹事となって「十和田を巡る赤の旅」と称して、還暦ツアーを行った。それからさらに 10 年、目出たいことに現時点では全員が生きているので、古稀ツアーを企画している。担

当幹事が福島県在住ということもあり、「スパリゾートハワイアンズを巡る紫の旅」となる予定である。能登地域のツアーも考慮すべきだったが、今回はご容赦いただきたい。名古屋、東京周辺、仙台、青森から、70 男 9 人がいわき市へ集合予定である。リタイア組、現役組、職種も様々であり、医療関係者は私のみで、刺激的なツアーになるのは間違いなく、子供のようにうきうきしている。

参加者全員が、いわゆる「林住期」を生きる世代になった。70 年生きることはまれではなくなったが、好きなように生きることはこれからかもしれない。とにかく、前向きに、「いくつになっても大器晩成」の精神で、残りの人生を笑いながら過ごしたいものである。ひとまずフラガールから、大いなる興奮と元気をいただこうと思う。

2024 年7月8日