この度、当院の活動状況をまとめた「十和田市立中央病院医報」の第 3 巻(平成 28 年度版)を発刊致しましたので、お送りさせて頂きます。「医療の質と経営の質を数値化して読み取れるように」という考えでリニューアルさせていただいた本誌ですが、今年度は当院の誇れる面と共に厳しい現実も示される結果となりました。

平成 28 年 3 月に青森県の地域医療構想が策定され、二次医療圏における当院の役割として、①急性期機能の充実、②圏域内自治体病院等への支援、③十和田市での在宅医療の提供、の 3 点が提示されました。他にも二次医療圏全体として、周産期医療の充実、民間医療機関との役割分担と連携の明確化、が必要であるとされました。

急性期機能の充実には、7:1 一般入院基本料算定の維持が必須条件であること、加えて回復期の患者さんを在宅医療にスムーズに繋げる必要があること等を想定し、地域包括ケア病棟の運用を平成 28 年 2 月から開始致しました。そのお陰もあり 4 月以降の診療報酬改定による重症度、医療・看護必要度の条件を何とかクリア(28%前後)しつつ、同時に医療提供体制の質を保つことができていると考えています。10 月に更新のために受審した病院機能評価においても、評価項目の 80%以上が A 評価であり、「患者さんの療養環境」と「放射線治療」の 2 点では S 評価を獲得できました。我々の日常診療が適切に行われていることを示していただいた結果であり、自信を持ってさらに前進して行きたいと思います。

一方で、県内でも最も医師不足が深刻な当地域では、常勤医の不足が常態化しており、圏域内自治体病院等の支援については、夢のまた夢といった状況です。実は本年 8 月、当院の医局長を務めてくれていた発信力のある有能な医師が急逝するという大変ショッキングな出来事があり、病院全体が気分的にも沈んでしまうという痛恨の状況を経験しました。それだけの理由ではありませんが、医師のマンパワー不足が入院患者数の伸び悩みに直結した感があり、それがそのまま経営の悪化というデータとなり表出しております。巷では平成 28 年度の医療経営を「増収減益」という結果になっていると分析しているようですが、当院は減収減益という内容で厳しいものとなりました。

以上のような状況を踏まえて、当医療圏における中核病院として、年度末までに新公立病院改革ガイドラインに沿って新改革プランを策定したところです。幸いなことに平成 29 年 4 月からは医師の増員が見込まれており、これを前向きに捉えた計画になっております。詳細は当院ホームページをご参照ください。本医報についてはまだまだ不十分な内容ではありますが、ご一読いただければ幸甚に存じます。今後ともご指導よろしくお願い致します。