「令和」の典拠「万葉集」と言えば新元号が「令和」に決まりました。出典が「万葉集」とのことで、一気に本邦最古の和歌集に関心が集まっています。やや強引かもしれませんが、十和田市立中央病院もこの万葉集とご縁があるのです。当院のシンボルである佐藤忠良氏作の「さわらび(早蕨)の像」ですが、この「さわらび」という言の葉が実は万葉集の歌に由来するのです。志貴皇子が詠んだ「岩走る垂水(たるみ)の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」という歌から名付けられており、その内容は早春の情景を素直に表現した歌とされています。寒く厳しい冬を越え、待ちに待った春到来を喜ぶ歌で名歌と称されています。誠に勝手な結び付け方ではありますが、令和時代の到来は当院の明るい将来を暗示してくれているのかもしれません。

これを受けて、幸先の良いご報告がございます。それは当院が地域がん診療連携拠点病院に引き続き指定されたことです。都道府県がん診療連携拠点病院としては、青森県立中央病院が指定され、地域としては当院と弘前大学医学部付属病院の 2 施設の指定となり、青森県の西側に 1 施設、東側に 1 施設という結果となりました。がん診療については、少ないスタッフで協力しながら前向きに地道に努力を重ね、質の確保に努めてきたつもりです。

今回の指定更新はこれまで全職員が関わってきた総合力の賜物であり、大変うれしく思いますが、今後も更なるがん診療の充実を目指し、気を引き締めて取り組んで参ります。また、腹の見える連携を構築するためにも、当院の今年度目標をお伝えしたいと思います。皆さんに日々チェックしていただくことが、我々の励みにもなりますのでよろしくお願い致します。

今年度は、①ブランディング:強みを活かして育て上げる ②時間を管理する ③寝たきり防止 ④日本一の陶冶病院(教育病院)の 4 つを掲げております。①については、個の力を伸ばし地域に貢献するパーソナルブランディング、チーム医療の質を上げ院外にアピールするチームブランディング、そして全体として地域へ出向く医療の実践に力を入れていきます。②については、働き方改革を意識して、全体として無駄を省き、特に会議の生産性を上げていきます。③については、患者さんを寝たきりにしてしまうのは急性期病院であるという指摘に対して、全職員でリハビリテーション栄養を意識し、寝たきりゼロを目指します。④については、若手医療従事者が集まってくれる病院として継続して認識されるように、地域の皆さんのお力もお借りしながら、全職員で教育環境を整えていきます。

当院は今年度もがん診療・急性期医療を中心に、多機能型病院=患者さんの状態に応じて柔軟に色を変えるカメレオン病院として、存在意義を発揮し続けたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願い致します。