平成 30 年度医報の巻頭言です。ご一読ください。

この度、平成 30 年度の当院の活動状況をまとめた「十和田市立中央病院医報・第 5 巻」を発刊致しましたので、お送りさせて頂きます。本誌は「医療の質と経営の質を数値化して読み取れるように」という考えで、学術活動と年報を合体させた内容になっておりますので、ご一読いただければありがたく存じます。

平成 30 年度は、「惑星直列」と称された諸々の改定が同時に行われた年でした。具体的には、診療報酬・介護報酬・福祉関連の改定・地域医療構想を含む第 7 次医療計画の策定・国保の都道府県単位化・新専門医制度等になります。これが何を意味しているのかを考えると、要するに当院が今後どのような医療を展開して行こうとしているのかを早く決めなさい、と問われているのだと思います。この流れを強く意識して、当院は規模的にも地域的にも「地域多機能型」、即ち患者さんの状態に合わせて柔軟に色を変え対応できる愛称「カメレオン病院」として存在意義を発揮します、と内外に向け発信しているところです。

これを踏まえ当年度の目標としては、平成 29 年度の目標を踏まえつつ、
1)地域医療支援病院の取得(逆紹介率 100%を目指す)
2)医療と介護の連携強化(行政と密に情報共有し主体的に取り組む)
3)日本一の陶冶病院(人財育成は当院の使命)の 3 点を掲げました

1)については、地域多機能型でやっていくためには地域から信頼され続けなければなりませんので、そのお墨付きとして地域医療支援病院の取得は必須と考えました。2)についても、多機能型だからこそ、急性期・回復期・在宅医療という迅速でスムーズな連携を推進したいと考えました。3)については、本誌に掲げてある「教育のない病院に進歩発展はない ウイリアム・オスラー卿」を改めて意識しようと考え、ビルロート先生の格言である「医学教育は Bildung(日本語訳で陶冶)であるべき」からそのまま拝借して、日本一の陶冶病院を目指す、とさせていただきました。

全職員で意識して取り組んだ結果として、逆紹介率が前年度 62.5%から82.3%に急上昇し、紹介率も 62.7%となり、目標としていた地域医療支援病院の申請条件を満たすことができました。現在、県に対して申請書類を提出し、その結果を待っている状態です。また昨年度大幅にアップした一般病床利用率は 82.1%とキープしており、在院日数は 0.7 日短縮し 13.4 日となり、救急車の年間受入数も前年よりさらに 200 台近く増え計 2325 台となり、その応需率も98.4%と、ほとんど断っていない状態を継続しております。これらすべてが病院全体に好循環を生んでおり、経営的にもいわゆる現金ベースの黒字化維持に繋がりました。

まだまだ病院運営としては不十分ではありますが、カメレオン病院としての機能を発揮しながら、覚悟を持って地域医療を守って行きたいと思います。今後とも更なるご指導をよろしくお願い致します。