「日々振り返り、常に前へ!」というような意味ですが、私が研修医の先生方にしつこく送り続けているメッセージです。今回は全職員に向けて、このメッセージを発出したいと思います。
2020 年 4 月 8 日に当院第 1 例目の新型コロナウイルス感染症患者さんを受け入れてから、52 日目の 5 月 30 日、ついに感染患者さんがゼロになりました。まさに、当院として新型コロナ感染の第一波を乗り越えた瞬間であった、と思います。感染症病棟に関わってくれた全ての職員に、心より感謝すると共に敬意を表します。そしてこのミッションが遂行できたのも、全職員のご理解とご協力があったからに他なりません。ありがとうございました。
当然のことながら、ここで気を緩める訳にはいきません。第二波、第三波に備えるためにも、まずは「Reflection=省察・振り返り」が重要です。当院は地方公営企業体ということもあり、医療の公共性という公営性と経営という企業性に分けて振り返りたいと思います。まず公営性についてですが、感染症指定医療機関として、14 名の感染症患者さんを受け入れ、かつ一般診療とのバランスを取りながら、何とか地域医療を崩壊させないように、全力で取り組んだと思います。14 名の患者さんについてですが、男性 1 名女性 13 名、平均年齢 63.1 歳(30 代~90 代)、平均在院日数 24.6 日(9 日~50 日)、感染症病棟 13 床の利用率は 44%、重症度医療看護必要度は 37%でした。ピーク時における患者数と投入人財数は、患者数 10 名、投入人財は医師 4 名・看護師 35 名・看護助手 4 名でした。結果として、非常に多くのマンパワーをつぎ込まざるを得なかった訳です。企業性については、一般診療を制限せざるを得なかったため、医業収入が例年と比較して約 20%減少しました。これについては、職員の感染防御と医療・看護の質の維持との両立に要した対価と考えています。かなり高めの授業料となりましたが、病院機能を可能な限り維持しながらも感染防御に対応できることを学びましたので、第二波に対する準備はほぼ整っていると思っています。
さて、ポストコロナ時代に対応するためには、これらの貴重な経験を前向きに捉え、当院だからこそできる「Keep on going !」に繋げなければなりません。即ち、徹底した感染管理によるさらにハイレベルな安全・安心な医療の提供に努めなければならない、ということです。そのためには、予約診療システムやオンライン診療を積極的に導入し、三密を避けた万全の診療体制の構築や IT を活用した効率的な働き方の導入等が必須になるでしょう。何度も言いますが、変化に即応できる柔軟な組織=カメレオン病院にならなければ、我々は生き残れません。皆さん一人ひとりが今回の経験を省察し、常に前へのマインドに繋げていただきたいと思います。